僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「ねぇ、畠山さん、あたしもやっぱり、奥さんのところに戻った方がいいと思うの。
だって、あなた、そのために今まで生きてきたんでしょう?」
俯いていた彼が、驚いて顔を上げた。
今まで濁って光を失っていた瞳が、急に行き場を求めて生き生きと動きだした。
「それはできね……ほんたらことは、許されるはずがね……」
否定する言葉とは裏腹に、彼の瞳は希望を求めて光を放っていた。
「ねぇ、それって、あなたが決めること?」
私は、何故か冷静に、そんな彼を睨みつけていた。
そんな私と目をすらすことなく合わせる彼の瞳は、確かに何かを感じたようだった。