僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「弘美さん?」
名前を呼ばれ、彼が私のすぐ後ろに立っていることに気が付いた。
彼は私の気持ちを察したように、後ろから私を抱きしめる。
「昨日はすいませんでした。弘美さんが僕の帰りを待っててくれるって思ったら、つい、嬉しくて気がゆるんで……」
「気にしてないよ、キスのひとつやふたつ」
私は思わず強がってみる。
本当は嬉しかったくせに。
「僕は気にしてます。それに……、僕はもっとゆっくり、弘美さんと話がしたいです。でも、今は時間がなくて……、すいません」
その声が少し震えているようで、私は思わず振り向いた。