僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
>心のままに
「行ってきます。明日の夜には戻ります」
彼はそう言い残し、その日の夕方、父親を伴い大曲の母親の元へと旅立って行った。
身支度を整え、少しだけ血色の良くなった彼の父畠山信幸の顔は、彼に良く似ていた。
(親子だもの当然か……)
畠山信幸の妻を想う真っ直ぐな目が、彼の眼差しと重なって。
私の心を揺さぶっていた。