僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?


私は一人、今までの自分を振り返る。

私が幸せだと信じて疑わなかたった今までの自分を。


望まれない結婚ではあったけど、子供を持てたことは喜びだった。

好美をお腹の中で育んだ、不思議な感覚。

命を分かちあっているという実感。

好美に初めて乳を吸われた時の快感。

身体全体から絞り出されるエネルギーとそれを与えているのが自分だという誇り。

あの頃の私は、自分という感覚が孤独とは結び付かなかった。

たとえ一人でいても、もう一人の自分が何処かであたしを求めているという安心感があった。


あれが、親子の絆というものなのかな。
< 225 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop