僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
私は、自分に問いかける。
その幸せと呼ばれる生活の中に偽りはなかったか。
今をして幻想と気付かせる予兆はなかったのかと。
私は自分を偽っていなかったか。
本当に子供が可愛いと愛しいと、心から思っていたのか。
夫との形だけの結婚生活に満足していたのか。
子育てに、介護に束縛される生活に不満を感じてはいなかったのかと。
その私の偽りが、真実に目をそむけてきた欺瞞が、この幻想を形造ってしまったのではないかと。
実際、好美が最後に選んだのは、母親の私ではなく、父親のあの人だったのは事実なのだから。