僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
存在が全て>
「弘美さん、ただいま……」
扉を開けると、そこには上気した彼女の笑顔があった。
「帰ってきてくれたんだ……」
薄っすらと涙さえ浮かべて、彼女は僕に抱きついた。
「えっ、あ、あの……、弘美さん?」
戸惑う僕。
「嬉しい」
微かに震える声が、僕の胸元に熱い息を吹きかける。
僕は嬉しさのあまり、鞄を抱えた腕でそのまま彼女を抱きしめていた。