僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
娘の好美にかかる重圧を、母としてどうにかしなくてはならないという使命感と、その結果自分の身に降りかかる重荷に恐怖を覚えて気が遠くなった。
(なんで、また、あたしなの?)
今ある全てを失う。
恋も仕事も。
それはもう神が与えた試練を通り越して、拷問に近く、あたしの身体を締め付けた。
「病院は何処?」
それでも母として、娘を気遣う私がここにいる。
「大丈夫よ、ママが今から行くから……」
メモを手にして振り返ったその時の私は、それはもう情けない、泣き出さんばかりの顔をしていた筈なのだ。
この事実を、彼にどう伝えたものか、考えただけで気分が悪かった。