僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「大丈夫。一人で行ける。あたしがしっかりしないといけないから」
そう言って、彼の腕から逃げようと胸を押した。
その瞬間、息が出来ないくらい苦しくなったのは、彼が私を更にきつく抱きしめたから。
「弘美さん、また無理してるでしょ」
笑うような優しい声があたしを包み込んだ。
「好美さんに全てを押し付けて、自分は知らん振りなんて、弘美さんにできるわけがないってわかってます。
気が済むまで看病すればいい。
でも、それとこれとは別ですよ。
僕はここに居ますよ、弘美さんと一緒に。
だから、そんな悲しそうな顔しないで下さい。
大丈夫、なんとかなります。
僕がついてますから」
恐る恐る顔を上げると、彼はやっぱり笑っていて。
私を優しい瞳で見つめていた。