僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「行ってもいいの? きみはそれを許してくれるの?」
「当たり前じゃありませんか。それが弘美さんでしょ」
信じられなかった。
元夫のところへ、好美のところへ行くことを選んだ時点で、彼との関係を諦めなくてはならないと思っていた。
そして、多分、時間的余裕から、今の仕事も止めなくてはならないだろうと。
今まで大切に守ってきたもの、必死に築いてきた全てが崩れ去ろうとしていた。
だが、彼はそれをあっさりと受け流した。
自然に。
まるで、そうすることが必然と言わんばかりに。