僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
>やんなっちゃう>
なんて図々しい女なんだろ。
ママに電話をかけて病室に戻ると、そこにあの女がいた。
「今更なによ」
別れた筈のパパの元愛人。
名前は確か……、そう、東条円香(トウジョウマドカ)。
大げさにパパに縋って泣いている姿を、背中から眺めていた。
でも、なんか少しやつれた感じ?
あの時見た、キャリアウーマン然とした面影はなくて。
目の前にいるのは、髪振り乱して我を忘れた只の女で。
それでもあたしは、同情なんてしてやるものかと気を引き締めた。