僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?


「パパが苦しんでた時にはしらんぷりしてたくせに、倒れたら寄って来るってどうなのよ!」


って、勿論そんなこと直接彼女に向かって言う勇気なんてあたしにはないもの。

見ない振りしてフロアの休憩室に戻り、一人毒づいていた。


(ママが来てくれればあんな女……)


って、あたしはママに何を期待してたのかな?


『主人には私達が付いておりますので、お引き取り下さい』とか?
『あなたには主人は渡しません!』とか?


でも、小一時間ほどして病院に現れたママの横には、あの男が付き添っていた。


(仕方ないか……)


もうパパとママは夫婦な訳じゃない。

頭ではわかっている。

けど、あたしの気持ちの中では、二人はまだあたしの両親で、二人揃って夫婦してるんだよ。
< 250 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop