僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

だってあたしは自分が一番大切だもん。

「そんな事情、知りたくもないよ。
あたしが今知りたいのは、パパがこれからどうなるのかってこと」

「先生はなんて?」

「もうすぐMRIの結果が出るから、親族そろったら状況説明してくれるって。
親族って言っても、あたしとママしかいないでしょ」

「あなた大丈夫?」

興奮して、ママの腕の中から顔をあげたあたしを見て、ママが心配そうにそう囁いた。

「大丈夫なわけないじゃない。昨日の夜から寝てないし。

もうどうして良いかわかんない……」


安心したら、なんだか急に眠くなってきちゃった。 


「ちょっと病室外したら、あの女がいるし。もうやだ……」


涙と欠伸がごっちゃになって、もう目が開けてらんないかも。


「先生のお話だけは、一緒に聞きましょ。

そしたら、好美は一度家に帰って休みなさい。
少し寝て、元気が出たら、家に来るかどうか考えて。
一人であの家は寂しすぎるでしょ?」

それからママと二人、仕方なく担当医師の説明を聞いた。
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