僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「マドカさん、だったかしら?
別れた妻のあたしに、どうこう言う資格はないのだけれど、娘の好美の代弁者として聞かせて貰って良いかしら?」
「はい」
「あなたの覚悟を聞いて置きたいの。
手術の結果、辻の症状が良くならず寝たきりの状態になったとしても、あなたが彼の側にいたいという気持ちは変わらない?」
「はい、変わりません」
「仕事は? これからの生活はどうするの?」
「仕事は辞めてもかまわないと思っています。
できるだけ、彼の側にいたいんです。蓄えも十分ありますし、もともと四十になったら退社しようと思っていました。資格も色々持っているので、独立して私一人の生活を支えるくらいの稼ぎは見込めます。
遺産目当てというのは誤解です」
「そう。頼もしいわね」
「ママってば……」
急に楽しそうに彼女と話し始めた私を見て、好美が眉を寄せた。