僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「立場的にはあたしと似てるってことね。
違うのは、あたしは、好美の母として、彼の介護負担を担う義務を感じているってこと。
愛情ではなく、義務としてね」
「もう、正博さんを愛してはいない、と」
「驚くことないでしょ。だから離婚したんですもの」
「そうですね……」
「だから……、これからは同士として、宜しく」
あたしは、彼女に向かって手を差し出した。
「みんなが、幸せになれるといいわね。
あ、その前に、手術が成功するよう祈らなきゃ」
握った手は冷たくて、彼女がどんなに緊張して追い詰められていたかを物語っていた。
不安で心細かったのは、彼女とて同じだったのだ。