僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「あ、お帰り雄一」
「今日の唐揚げ美味かった」
店のカウンターに無造作に弁当の包みを置くと、彼はそのまま外へと出て行った。
<カラン>と今度は小さくカウベルの音が鳴った。
「おばさん、お邪魔します」
腰までの長い髪をきっちりと三つ編みにした、色白の少女が小さく頭を下げた。
「嗚呼、美千代ちゃん、いらっしゃい。また一緒にお勉強?」
「はい、もうすぐ試験だから」
「後でおやつ持ってくわね」
「はい」
私は呆気にとられて、その様子を眺めていた。