僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

「もしかして、弘美、まだ彼から下宿代とか貰ってるんじゃないでしょうね?」


「貰ってるわよ」


「でもって、あんたのことだから、それをしっかり貯めてる!」

「何でわかるの?!」

「止めときなよ。

彼は弘美の元から離れたりしないって。あんたも分かってるんでしょ」


「でも……」

「でも何よ?」

「これから子供を作るわけじゃないし。

私はどんどん老いてくばっかりだし。彼の負担にはなりたくないし。

結婚する理由なんて見つからない」


「馬鹿」

「今のままで十分幸せだし……」


話の矛先が私に向いて居心地が悪い。

心配して来たつもりが心配されてるなんて、立場が逆転だ。
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