僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?


<カラン>三度目のカウベルの音が鳴った。


「弘美さん、いらっしゃい。ご無沙汰してます。

いやぁ~、結婚式も挙げずにくうちゃんこっちに連れてきちゃって、弘美さんに怒られる覚悟はできてますよ。

あれ、お一人ですか?

噂の彼は?」


のっそり現れたのは、金井くんだった。


「噂の彼って……」

「会えるの楽しみにしてたのになぁ~

くうちゃんから聞いた話から想像するに、僕ら絶対気が合うと思うんですよ。残念だな」


「もう、二人して何なのよ……」


柄にもなく狼狽えた私の手の中で、携帯が小さく震えた。
< 276 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop