僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
<カラン>三度目のカウベルの音が鳴った。
「弘美さん、いらっしゃい。ご無沙汰してます。
いやぁ~、結婚式も挙げずにくうちゃんこっちに連れてきちゃって、弘美さんに怒られる覚悟はできてますよ。
あれ、お一人ですか?
噂の彼は?」
のっそり現れたのは、金井くんだった。
「噂の彼って……」
「会えるの楽しみにしてたのになぁ~
くうちゃんから聞いた話から想像するに、僕ら絶対気が合うと思うんですよ。残念だな」
「もう、二人して何なのよ……」
柄にもなく狼狽えた私の手の中で、携帯が小さく震えた。