僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
スーパーで買った食材を冷蔵庫に閉まって。
鍋を火にかけた。
名物に旨い物なし、なんて邦子と金井くんが揃って言うものだから、お土産には、地酒を買うことにした。
天狗舞。
日本酒好きの彼なら、きっと喜ぶ。
先ずはともあれ、ご飯を仕掛けた。
夕飯のメニューは、具沢山のお味噌汁に鯛の刺身、冷奴、胡瓜とワカメの酢の物。
どれも時間のかからない即席料理。
私も長旅で疲れたし、手抜きと言われても、さもあらん。
粗方準備を終えたところで、大きな欠伸が出た。
(ちょっと一休み……)
さすがに疲れたな、と居間のソファに身体を沈めた。
(彼が起きてくるまで少し眠ろう)
私は静かに目を閉じた。