僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「あたし、普段はなりふり構わずの介護ヘルパーやってるの。
齢七十とか八十とかの老人介護。
あの歩道橋に立ってたあなたの目は、その老人達と同じだった。
だから、ほっとけなくて」
介護される老人と同じ目をした僕か……。
「でも、あなたは老人じゃない。まだ若いでしょ。あたし、そういの許せないの。
あ、あなたが許せないってことじゃなくてね。
つまり、あなたみたいな若者をこんなあんなところに立たせて物乞いさせる世の中がね。そんなたいそうな正義感をいつも持ってるってわけじゃないけど、あなた一人なら、あたしにもどうにかしてあげられるかなって、単純にそう思ったの」
「ありがとうございます」
(あなたが、そう思ってくれて、本当に良かったです。神に感謝します)
その時僕は、目の前にいる彼女が、本当に女神のように輝いて見えたんだ。