僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「あっ、すいません、苦しいですよね。
そうそう、邦子さんはどうでしたか? 電話の声は元気そうでしたけど」
僕は少しだけ腕の力を緩め、彼女に尋ねた。
「それがね。
中三の息子がさ、邦子のこと、『糞ババァ』だって。
そのくせ、ちゃっかり彼女連れて部屋でお勉強しちゃたりして。
どう思う?
朝、子供にお弁当作って、昼は店番して。
東京では、あんなバリバリ働いてた邦子が、すっかり緩んじゃって。
可笑しいよね」
僕の腕の中で彼女が笑った。