僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?


(こんなラフな指示書で、よく恥ずかしくないな)


僕は、寸法表記の曖昧な部分に数字を入れ、プレゼンの内容をチェックしながら、必要な情報を図面に加筆していった。

用途別に図面を色分けし、レイアウトを整える。

なぐり書きだったスケッチが、次第に具体化されていく。


(こんな言われないことまでやってやるから、重宝がられるんだよな)


心の中ではぼやいてはいても、現実に仕事を始めれば中途半端で終わらせられる性分ではない。

結局、見栄え良くシートを仕上げてしまうことになる。


(まあ、派遣なんて、仕事頼まれてナンボの商売だしな)


仕事と割り切り、自分を納得させて次の作業に取り掛かった。
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