僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
この一週間、ろくに食べ物を口にしていなかった。
確か、最後に食べたのは、三日前。
コンビニの百五円の菓子パン一個だったと思う。
もう手持ちの金は底をついていた。
汚れたGパンのポケットには十円玉が数個。
ジュースだって買えやしない。
夜は公園のベンチで寝泊りし、昼間は人目を避けて公衆トイレにこもっていた。
もう歩き回る体力さえ残ってはいなかった。
このままいけば、死ぬ。
そう思うと恐かった。
死ぬかもしれないという恐怖が、今、僕をここに立たせていた。
今日一日、恥を忍んでここで物乞いをする。
旅費が集まらなかったら死ぬしかないと考えていた。
自ら死ぬ勇気などないけど。
まあ、このまま行けば、確実に死ぬだろうけれど。
この豊かな筈の日本で、自分が飢えというものを経験するなんて、誰が想像できただろうか。
もう、先を考える心の余裕など残ってはいなかった。
僕の体力は、立っているだけで精一杯だったのだ。