僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「君、以前の仕事は何だったの?」
「僕、建築会社のCADオペレーターをしてました」
「あぁ、それ、今の建築不況じゃ、一番不利だね」
「もっと広く、コンピュータ関係の仕事を探すつもりです」
「プログラマーとか?」
「いえ、システムエンジニアの資格があるんで」
「今、そういうのに企業がお金をかけると思う? こんなに世の中シビアなのに、そんな綺麗な仕事が転がってる訳ないじゃない」
思わずキツイくなった私の言葉に、彼はちょっと戸惑っていた。
「君、家に下宿しなさい。
部屋、余ってるし。高熱費込みで月五万でどお?
その代わりといっちゃ何だけど、風呂掃除とかゴミ出しとか、家事の手伝いをお願いできるかなぁ」
「えっ?」
「住むとこなきゃ、仕事なんて探せないわよ。兎に角住むとこさえあれば、最悪、コンビニのアルバイトだって、何とかやっていけるでしょ」