僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

「だから、僕はお金に固執する人生を止めることにしました。

お金の為に、あくせく苦労するのは止めにしました。

今を生きるのに必要な分だけ、お金があれば満足することにしたんです。

その代り、これからは、自分が生きる気力を維持できるような、そんな生き方をしていこうと思うんです」


「いいんじゃない、そういう生き方も」


私は、それ以上、言葉を繋げなかった。

彼の言う『生きる気力を維持できるような生き方』の本当の意味を、深く考えもせず受け流した。

何故って、それは、私自身が放棄していたことだから。

私にとっては、もう価値のないものだったから。

私の生きる意味について、他人にとやかく詮索して欲しくはなかったから。
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