僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
耳元で囁く声が聞こえたけれど。
『弘美さん、明日は何時に出社ですか』
「う~ん、はちじぃ」
『スカートは皺になるから脱ぎましょうね』
「う~ん、ぬがせてぇ」
『弘美さん、おやすみなさい』
「う~ん、おやすみぃ」
何もかもが、遠い記憶の奥に吸い込まれていくようで。
暖かい何かに包まれた感触と。
母の胎内にいるような安心感。
忘れていた懐かしい感覚。
そして、私は久しぶりにぐっすりと、眠りに落ちていったのだ。