僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
その週の土曜、僕と母は仙台行きの列車に乗り込んでいた。
少し遅い昼飯の弁当を車内で食べ終えた後、少しくつろいだ様子の母に、僕は思い切って尋ねてみることにした。
「僕、母さんに妹がいるなんて初めて知ったよ。それに、お祖父さんまでいたなんてさ。もう少し早くに知ってたら、会えたのにね」
そう言った僕の顔を、母は、本当に悲しそうな目でじっと見つめてこう言ったんだ。
「ごめんね、孝幸。
母さんは勘当されたも同然だから、父が生きている間は、会いたくても会えなかったの。
妹は父が死んだから、あたしに連絡してきたのよ」
母があんまり悲しそうな顔をするものだから。
僕は何で勘当されたも同然なのか、その理由を聞くことができなかったんだ。