僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
仙台駅に迎えに来てくれた由紀子叔母さんという人を見て、僕は心臓が飛び出るくらい驚いた。
着ている服や髪型は違うのに、そこにいるのは、母に瓜二つの女性だったから。
「あたしと姉さんは双子なのよ」
僕の驚く顔を見て、悟ったかのように、由紀子叔母さんが言った。
そうか、そうだよな、それなら納得がいく。
僕の心臓は、その説明でやっと落ち着きを取り戻した。
「家に帰ると、一気に辛気臭くなるから、ちょっとその前にお茶でもしない?」
自分の父親の葬式を、まるで面倒な仕事とでも言うように、由紀子叔母さんが僕たちをお茶に誘った。
「いろいろ聞きたいこともあるしさ」
母と僕は、由紀子叔母さんに促されるままに、その後ろを黙って付いて行った。