迷子の子ネコ
第一章
子ネコの出会い
遮光じゃないカーテンで、あたしの部屋は毎朝、淡い青色に染まる。
その青とつり合わない〝オレンジレンジの花”が、携帯から流れて目を覚ます。
古い…とか思うかもしれないけど、一番目覚めがイイ。
カーテンを開け、洗面所へむかい洗濯をかける。
その間に朝食を済ませ、歯を磨き、制服を着てメイクする。
終わった洗濯には、乾燥をかけて家を出る。
あたし、神崎美羽。高校2年生。
中学の時、両親がパリへ行ってから、ずっとこの生活を送っている。
高校までは、自転車で15分くらいの距離。
だから余裕に登校できるはずなのに、入学当初は遅刻ばっかり。
実はあたし……
チョーがつくほどの〝方向音痴”
他の事は何でも出来るのに…
(勉強は除いてね)