青空ライン *Third Story*



ープルルル…


携帯のアドレス帳から【山下優】というのを探して躊躇せずに発信ボタンを押した。



電話を繋いでる音が待てない。



早く出てよ!サッカーしてて出れないとか言ったら許さないから。



「…もしもし」


これでも怒りを抑えて話したつもり。



でも…



「もしもし、萩原くん?」



一瞬掛け間違えたのかと思った。



だけど画面を見るとちゃんと山下優と書いてあって番号は合っていた。



なんで、女の人が出るの?



それに優先輩が兄貴のことを萩原くんなんて呼ぶわけない!



声だって高いし、絶対違うに決まってる!



「私、山下優に電話したんだけど。なんであんたが出るの?



「あっ!もしかして優くんの彼女さんですか?あの…私…」



「あんたに聞かれる筋合いなんてない!



今すぐ優先輩に代わって!」



もう私の怒りは限界だった。



女の人が電話に出る意味が分からなかった。



杏が許すって言っても私は絶対に許さない。


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