青空ライン *Third Story*



「本当に優先輩のこと見損なった!



私、どんなことがあっても優先輩だけは杏のこと大事にしてくれると思ってたのに。



…でもどっちにしても今の状態が良くないのは分かってるでしょ?」



あたしはコクンと頷いた。


分かってるよ。



もう優の気持ちはあたしから離れて、他の人の所に言っちゃったんだから



優からお別れを告げられる前にあたしからきちんと言わないと。



…いつからやり直したらこんな結果にならずに済んだんだろうか。



あの女の人が希美と電話をした人とは限らないけど、もしも留学を引き止めたら



それともあたしが優と同じ学年で年が離れていなかったら



…こんな風にはならなかったのかな。



その前にあたしは優に別れを告げることなんて本当にできるのだろうか?



できる、できないじゃないよね。



別れを言わなくちゃいけないんだ。



こんなにこんなに好きなのにどうして気持ちが離れちゃったの……?



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