青空ライン *Third Story*



学校が終わってトボトボと1人優の家までの道を進む。



だけど足取りはとても遅くていつもより凄く遠く感じる。



それはもうこんなに遠かったっけ?って思ってしまうくらいで



気持ちがいつもと違うだけでこんなに変わってしまうんだと実感した。



そして歩きながら……ふと思ってはいけないことを思ってしまう。



優はずっと家で待ってるって言ったけれど



家に帰ってくるのは遅いし、メールや電話するのじゃだめかな?



って優から逃げたい気持ちばかり溢れてくる。



……帰りたくなってきた。


今の状況から目を背けたくなった。



だけど、神様はそれを許してはくれなかった。



「…杏」



なぜなら優の部屋の前で今の時間なら普通に部活をやっているはずの彼が待っていたから。



あたしはその場に固まって何も話すこともできなかった。


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