青空ライン *Third Story*
家を出て、電車に乗って学校までの道を俯きながら何も考えずに足の進む方向へ歩いていると
ドンッ!
と鈍い音がした。
「…痛い」
当たったことによって我にかえったあたしはゆっくり俯いていた顔を上げた。
「ばーか、当たってきたのそっちだろ。」
とクスクス笑いながらあたしを見てくる圭。
「ごめん…」
…そうだった。
あたし、何も考えずに歩いてて…もう昇降口まで来てたんだ。
「まー、わざとやったんだけど。今日時間開けといて。放課後ここで待ってるから」
「ちょっと、圭!」
圭は用件だけ言うと、あたしの返事を聞かずに去って行った。
少し大きめの声で呼んだのに一番登校のピークの時間だったからか人がたくさんいて
圭があたしの声に気付いて振り返ることはなかった。
どうしよう。
時間開けといて。っていったい何をする気なんだろ。
そんなことより、あたしたちって圭の浮気がきっかけで終わったのに
なんで今更こんな何年も経った今に関わりを持つことになってしまったんだろう。