青空ライン *Third Story*



こんな気持ちで受験したら絶対に落ちるに決まってる。



それにもし受かっても、他の頑張った人に顔を見せられない。



「高校生だし、恋愛したい気持ちも分からなくはない。先生もそうだったしな。



でも、それは受験を忘れてまでやることじゃないだろ?



今の関係がどうであっても、山下ならきっと二ノ宮が受験に落ちたら一番責任感じると思うし。



だから、山下のことを忘れて勉強やれとまでは言わないけど優先順位を変えて頑張ってみないか?



先生もできるだけ他の生徒の合間に手伝えることはするから。」



先生はそう言って、去年受けた先輩の合格レポートをくれた。



そのレポートには志望理由など面接で聞かれた内容や、一般教養で出題された問題を覚えている限り細かく書いてあって、最後にはメッセージが書いてあった。



【合格したときは本当に涙が出るくらい嬉しくて、まだ学校にも行ってないけど自分の夢の保育士に少しだけ近づけた気がしました。


私がアドバイスを大口叩いて言えることじゃないので一言だけ書きます。

"受験の日まで合格した後の学校生活のことを考えながら、勉強と面接練習を一生懸命して、最後まで諦めずに悔いの残らない受験にして下さい。”


同じ学校で会えるのを楽しみにしています!頑張って下さい。】



と書いてあって何だか言葉1つ1つに感動した。




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