青空ライン *Third Story*



「杏…」



思考停止しちゃったあたしはもう動けなくて…



気付いたらそのまま優に抱き締められていた。



1年経った優の姿は少し変わっていて、



背はきっと3センチは高くなって顔が少し大人っぽくなった気がする。



「…びっくりした?」



あたしはコクンコクンと2回頷いてそのまま優に抱きついた。



…あったかい。



ずっとずっとこの腕に抱き締めてもらいたかった。



もう離れたくないよ。



「本当は来週帰国してその時にいきなり現れてびっくりさせようと思ったんだけど…



どっかの誰かさんが杏の前でバラしちゃったみたいだから帰ってきちゃった。」



と悪戯な笑みを浮かべて言う優。



あ…青木くんのことだ。



だからあたしには帰国の日を教えてくれなかったんだ。



でも…なんで?



あたしが知っちゃったことまで優が知ってるの?







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