青空ライン *Third Story*
「正直、今そんなことを杏に言ってもらっても嬉しくないし
それを言ってもらうために日本に帰ってきたんじゃない。
俺は『頑張って』より杏の本心の方が頑張れるんだけど。
確かに本心を言ってもらっても何も変えられないかもしれない…
でも俺は杏の本心を聞いてちゃんと受け止めたい。」
優はそう困った顔をしながら言った。
もうそんなこと言われちゃったらあたしは止まらないよ?
本当に言っちゃってもいいの?
わがままばっかりで困らせちゃうよ?
迷惑かけちゃうかもしれないよ?って…
あ…あたしまた先入観にのみ込まれちゃうところだった。
先生に今日気付かせてもらったばっかりなのに。
だから、あたしは最初に聞いてみた。
「あたしの気持ち…全部伝えても迷惑にならない?」
って。これが全部あたしの頭の中で渦巻いていたものだった。
そしたら、彼は…
「当たり前じゃん。そんな風に思ってたら好きにならないし、付き合ったりもしない。」
とあたしの頭を撫でながら答えてくれた。
あたしは優の服をきゅっと掴むと、意を決してポツリポツリと話し始めた。