青空ライン *Third Story*
「だから本当は優に会いたくなかった。
みんなは温かく迎えられたとしても、あたしにはこんな先入観の気持ちや不安の気持ちばっかりで
冷たい言葉しかかけてあげられない気がしたから。
今だってそう。あたしは…『おかえり』って言葉さえかけてあげられなかった。
それにあたし…すっごく弱いんだよ?優がそばにいないと、声を聞かないとすぐに駄目になる。
でもね、泣き虫は卒業できたのかも。
だってね、この1年間一度も泣かなかったんだよ?」
あたしは必死に笑顔を作って笑った。
そうしないと、今にも涙が零れてしまいそうだから。
優の顔を見ると、すごく切なそうな顔をしていた。
あたしが優の名前を呼ぼうとしたら…
「ごめん…ごめんな」
優は何度もそう言うと、あたしを強く強く抱き締めた。