青空ライン *Third Story*
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そして、しばらくお互い抱き締めあった後2人でソファーに座って、
今度は優が話し出した。
「俺さ、こっちの空港に着いて杏のメールを読んだ時、もうこのまま杏と会わずに帰ろうか迷った。
『信じてる』って言ってくれたから、その気持ちを崩さないためにもあと1週間してから会った方がいいのかなって思った。
だけど、もう杏不足で我慢できなかった。
それから俺も向こうに行ってから連絡しようとしていたけど、
サッカーをしにきたのに集中できなくなるのが怖かったのと
やっぱり距離には勝てないから他に好きな人ができたら悪いと思ってしなかった。
あの時、約束したのにな…
卒業式の日に帰国した時は、杏には会わないと決めてたんだ。
もし会ったら、フランスに連れ出しちゃいそうで、きっと自分の気持ちを抑えきれないって分かってたから。
でもそれによってこんな杏を苦しめてたなんて気付かなかった。
本当にごめんな。
でも杏のこと離せる気がしない。
勝手でごめんな、1年離れてたけど1度も杏が頭から消えたことはなかったし、気持ちは変わらなかった。
もちろん、他の女の子になんか興味も持たなかった。」
そして優は最後にあたしの目を見てこう言った。