青空ライン *Third Story*



ー放課後。


みんなには先に行ってもらうように言ってあたしと希美は今、トイレにいる。



鏡の中にいる自分は本当に隈で酷くて、優に会えない状態だ。



朝起きて、鏡で自分を見た時にどうして気付かなかったんだろ。



ファンデーションで隈を隠してもらってから



今度は普段は化粧をしないあたしがナチュラルメイクを施してもらった。



すごい…



なんか手を入れられていくたびに少しずつ変わって言ってなんだか自分じゃないみたい。



「よし、できた!」



そう言われて自分を見てみると、いつもと全然違う自分が立っていてすごくびっくりした。



「本当にすごい!希美、ありがとう。今度メイク教えて?」



「いいよ、受験終わったら遊びにおいで。それから化粧道具も買いに行こう?」



「本当に?楽しみにしてる。」



お金貯めないと。



童顔だからもっともっと綺麗になりたいな。



「分かった、ほらもう時間おしてるしもう行きなよ。」



「うん、希美も今日は楽しんでね。3年記念日おめでとう。」



本当は記念日が被らなければ希美も部長の青木くんに誘われてたから一緒に行くはずだったんだけど、3年記念日は前から将希くんと約束してたから行かないんだって。



3年かぁ…



未知の世界だな。



「ありがとう、優先輩によろしく言っといて。杏も今日は水入らずでパーティー楽しんでね。」



「うん、じゃあ行ってくるね!」



「行ってらっしゃい!」



あたしは希美に手を振ると、荷物を持ってすぐに部室に向かった。







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