青空ライン *Third Story*



優…何て言ってたんだろ。



しかもあたしが萩原先輩に謝ったら、また抱き寄せられて何も見えないし。



「優先輩?」って呼んでみても優は何も言ってくれない。



誤解は解けたはずなのにまだ怒っているのかな?



他に何かしちゃったとか?



「優、一通りみんなとは話せた?」



あたしが気になっていたことを萩原先輩はサラッと聞いてくれた。



良かった、また忙しくなるんだし今日は楽しんでもらいたい。



「あぁ、近いうちに会う約束もできたし。」



「じゃあこのまま抜け出せば?みんな久しぶりに会ったから全然気付いてないし。」



え…?でもこれは優のパーティーなのに…



もしかしてあたしが泣いたりしたから?



「優先輩、あたしは大丈夫です!だから…『そうだな、今日は杏と先に帰るよ。』」



優は、荷物取ってくるからちょっと待ってて。と言うと、あたしを離して荷物を取りに行った。



「萩原先輩、本当にすみません。久しぶりに会って先輩も話したいことたくさんあったはずなのに。」



「ばーか!俺は、いいんだよ。アイツと同じ大学だし、また一緒にサッカーできるんだから別に今日じゃなくていい。



今までの会えなかった時間、これから全部取り戻せよ。」



「はい、ありがとうございます!」



優が荷物を持って戻ってくると、あたしたちは萩原先輩に見送られて部室を出た。



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