青空ライン *Third Story*
トクントクン…と規則的に打つ優の鼓動。
あたしのことを抱き締めてもまだ余裕な腕。
そして今日もサッカーを頑張った証拠だと明かす少しする汗のにおい。
「本当にごめんね?」
「いいよ、今ので杏に癒されたし。杏のお母さんたち待ってるし送るよ。」
「ありがと、でも1問だけ教えて?」
あたしは優から離れて、さっきからずっと悩んでいた問題を優に見せた。
「あーこれね。この問題昨日が杏が解いてた問題に似てる問題だね。
途中まで同じように解いて、ここだけ変えればいいんだよ。…分かる?」
そういうことか!
あたし優が帰ってくるまで違うやり方してた。
通りで解けない訳だ。
「うん、あたし違うやり方してたみたい。」
「答えはこれと同じになってる?」
と言われて、解答解説を見てみると答えは優の答えと同じになっていた。
「うん、優すごいね!」
「すごくないよ、この間杏が寝てたときにサラッとコンビニにコピーしに行って、時間があった時に解いてただけだから。」
え…優、そんなことしててくれてたの?
優は毎日講義に部活に忙しいのに。
あたしのことまで…本当に優しすぎるんだよ。