青空ライン *Third Story*
優…あたし以外に大切な人他にいたの?
信じたくない。
でもこれは現実なんだ。
もし彼女までは行ってなくても女の人の存在はある。
「実はさ、優先輩が一時帰国したって杏が言ってたじゃん?
そのちょっと前にさ、私が兄貴の携帯を借りて優先輩に電話したんだよね。
それで、電話に出たと思ったら優先輩じゃなくて女の人が出たんだ。」
…嘘だ。
フランスでなら知っている人もいないし、あたしだっていないから確かにそういう人ができてもおかしくない。
だけど!だけど優はそんなことするはずないって信じてたのに。
「その後優先輩の彼女とか聞かれて、私はそれに答えずにもうイライラも限界で"優先輩に代わって!"って言って
それからすぐに代わってもらって言いたいこと全部吐いて今の先輩は嫌いです!って言って切ったわけ。」
すごい…さすが希美だ。
あたしにはとてもじゃないけど真似できない。
って関心している場合じゃない。
「だから、歓迎パーティーにも気まずくて準備だけ手伝って行かなかった。
こんな些細なことだけど優先輩の近くに女の影があるってこと忘れないで。」
全然些細なことなんかじゃない。
あたしにとっては大問題だ。
今まで優に電話して他の人が出たことないし
あたし以外に他の女の影なんて優にはなかったから。
兄弟だってお兄さんだし。