限りない時代の如し~時ヲ越エタ桜ノ木~



「人とは違うように見えるが…」

「それはそなたの目が節穴だからではござらんか」

「そうやもしれぬが…」


“どうにも私には化け物にしか見えぬのだが…”


あたしの目の前で変化を繰り返す男。

それはもう人ではなく、まさに化け物。

黒い憎悪が剥き出しになった熱くて溶け出した火山の中心のもののようでもあり、そこからは二本の触手があたしの刀を飲み込む。


「この村を滅ぼしたのは貴様か…」


切り裂いたのか、またはその熱い溶岩で溶けさせたのか…

どちらにせよ、たくさんの民の命を奪ったのは紛れもない事実である。


「鎮まれ、邪気放ちし化け物よ…!!」


言霊でどうにか鎮めようと試みる。

これがこの地の神であるならば、あたしの手ではどうしようもないからである。


「なっ…」


油断した訳ではない。

なのに急に足を触手に捕まれる。

熱い。

溶けてしまいそうなくらい熱く、捕まれた足首からは湯気が立つ。




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