金平糖のような甘い甘い恋
 あたしは裕輔先輩の教室に向かった。


 「蒼先輩!!」


 教室の中を見ても裕輔先輩がいなく
探していると蒼先輩が一人で歩いていた。


 「あれ?麗香ちゃん。どうしたの?」


 「あ、あの...裕輔先輩はどこですか?」


 あたしは肩で息をしながら聞いた。


 「あ~。あいつなら、早退したよ」


 「はぁ?!?!」


 早退?!こんな時に?!


 「でも、さっき早退したから
追いかければ追いつくかもよ?」


 あたしが今から何をするか
分かっているかのように蒼先輩は言った。


 「あ、ありがとうございます!!」


 あたしは自分の教室に向かって
スクバを持って先生に


 「あたし早退します!!」


 と言って玄関に向かった。

 後ろから先生の声が聞こえたけど
振り返らない。
 今振り返ったら裕輔先輩に追いつけない。


 「麗香!!」


 玄関で靴を履き替えていると
玲の声が後ろから聞こえた。

 あたしは後ろを振り返り


 「裕輔先輩に告ってくる!!」


 と言った。

 玲は優しく笑って


 「いってきな」


 とあたしの背中を押した。


 
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