金平糖のような甘い甘い恋
 スパゲッティを茹でなが
ら鼻歌をしていたあたしにいきなり



 「...なんか、夫婦みたいだな」


 と後ろから言った。


 「へ?」


 あたしはビックリして後ろを振り返った。


 「い、いきなり何言うの?!」


 「ん?だって、そうじゃん。
お前が作ってて俺が待ってて
まるで、新婚夫婦じゃん」


 あたしはその言葉を聞いて
恥ずかしくなって前を向いた。

 新婚夫婦って...ば、馬鹿じゃないの?!
 ....でも、いいなぁ夫婦って。いい響き♪
 本当に夫婦になれたらなぁ...。
 
 あたしは鼻歌を混じりながら
手を動かしていた。


 「何鼻歌なんかしちゃってんの?」

 
 「きゃっ」

 
 裕輔先輩はあたしのお腹に手を回してきた。


 「ビックリさせないでよぉ」


 「いいじゃん。夫婦なんだし」


 まだ夫婦じゃないし!!
 

 「てか、夫婦って言われたこと
そんなに嬉しいのか?」


 「え?...べ、別にぃ」


 はぁ...素直じゃないあたし。
 きっと夫婦になっても素直
じゃないんだろうな。


 「素直じゃねぇの。
本当のこと言えばいいのに」


 と耳に息をかけてきた。


 
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