金平糖のような甘い甘い恋
 「最初に100メートル走だ!
みんな気合入れてくぞぉ!!」


 担任の熱血先生の渡部が叫んだ。

 どんだけ叫んでんだよ。
 てか、暑いからやめろよ。

 今の季節は夏。
 そんな時に、叫ばれると
もっと暑くなるっつうの。


 「位置に着いて」


 俺はしゃがみ白い線に手を付け


 「よーい」


 尻を上げ


 ―ドンッ!―


 ピストルの音と共に走り出した。

 隣にいた男を抜き俺は1位になり
そのままゴールした。
 後ろから2位3位とやってきた男共が
肩で息をしていた。
 
 俺はこれでも走るのは速い方だ。
 それに、息だって乱れない。



 「お前すげぇな!!」


 休憩所に行くと蒼が俺の肩をガシッと掴んだ。


 「別にすごくねぇし」


 俺はその手を突き放した。
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