金平糖のような甘い甘い恋
 「ごめんなさい!
ぶつかってしまって」


 「いや...俺も前見てないで
歩いてたからごめん」



 俺はそう言って歩きだした。



 「さっき!」


 後ろから女の声がして
振り向いた。


 「走るの速かったですね!」



 と二人三脚で笑っていた時の笑顔のように
俺に向けて笑顔になった。


 ―ドキ―


 「じゃあ!」


 女はそう言って走っていった。

 俺はその後ろ姿を見ていた。
 見えなくなるまで。

 そして、本当に見えなくなって
俺は空を見た。

 その時、初めて分かった。

 空が青く快晴だったことに。
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