金平糖のような甘い甘い恋
 「....」


 あたしは目を覚まし隣を見ると
裕輔先輩がいなかった。


 「なんだ...いないんだ」


 あたしはガックリしてベッドを降りた。


 「起きたか?」


 「え?」


 声がしてあたしはカーテンを開けた。


 「お前眠りすぎ」


 そこにはいなくなったと思った裕輔先輩が
だるそうにソファに座っていた。


 「え...なんでここにいるんですか?」


 「お前が起きるのを待ってた」


 と言って立ち上がった。


 「なんで?」


 「なんとなく。
てか、お前って泳げないんだよな?」


 さっき蓮君のことを話したとき
泳げないことも話したから裕輔先輩は知っていた。


 「は、はい」


 「んじゃ、俺が教えてやるよ」


 「...何を?」


 「泳ぎを」


 「誰が?」


 「俺が」


 「誰に?!」


 「お前にだよ!てか、
お前しかいねぇだろ。馬鹿か。お前は」


 「はぁ?!なんで?!」


 「今になって泳げないんなんて恥ずかしいだろうから
俺が教えてやろうと」


 はぁ?!まぁ...恥ずかしい....ですけど。
てか、上から目線だし!むかつくわ!


 「まず。俺が教えてやるんだから光栄に思え。
てか、俺が教えてやるって言ってんだから黙って教えてられろ」


 なんなの?!この男!!
 この俺様態度は!!!


 「んじゃ、俺行くわ。
放課後、プールに来いよ?」


 と言ってあたしに返事も聞かないまま
出ていってしまった。


 「まっ....もう....」




< 62 / 200 >

この作品をシェア

pagetop