金平糖のような甘い甘い恋
 「あ...あの!離れてくれませんか?!」


 「...んじゃ、タオル取れば?」


 「...取ったら離れてくれるんですか?」


 「うん」


 あたしは仕方なくタオルを取り側にあったベンチに置いた。


 「太くないじゃん」


 と言いながらあたしの体を見た。


 「太いです...てか、早くやりましょ!」


 あたしは裕輔先輩に体を見られるのが恥ずかしくなった。


 「そうだな」


 やっと裕輔先輩は離れて先に水の中に入った。
 あたしもそのあとに続いて水の中に入った。


 「よぉし。んじゃ、まずは何が泳げるようになりたい?」


 「んー...平泳ぎ?」


 「...それも泳げねぇのかよ」


 「うるさい!!」


 あたしは何も泳げない。
 というか、泳ぎ方が分からない。


 「んじゃ、俺が泳ぐからそれを真似しろ」


 あたしは首を縦に振った。

 裕輔先輩はそれを確認したあと
ゴーグルを装着して


 「ちゃんと見てろよ?」


 と言って潜り壁を蹴り泳いでいった。


 「わぁ」


 その姿はまるで人魚みたいで
スイスイ泳いでいく。
 あたしはつい見とれてしまった。



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