金平糖のような甘い甘い恋
「おい。ちゃんと見てたか?」


 と15mぐらい泳いだ裕輔先輩が言いながら戻ってきた。


 「え?...多分」


 「はぁ?!多分ってなんだ?!多分って!」


 裕輔先輩は人差し指をあたしに向けながら言った。


 「だ、だって、泳ぐのうますぎて、つい見とれてたから」


 「ふーん。まぁ、見とれるぐらいうまいしな。俺は」


 と俺は、の部分だけ強調して自慢そうな顔をした。

 ....ナルシストなの?裕輔先輩って。
 むかつくなぁと思いながらも、また、裕輔先輩の一面を見れて喜んでいた。

 この頃、過ごすうちに裕輔先輩の
性格やしぐさやそーゆうのがだんだん分かってきた。
 でも、もっともっと知りたいって思う。
 これって欲張りすぎかな?
 でもね....もう止められないの。
 初めてだから。恋という気持ちが。
 だから、止め方も諦め方も
どうすればいいかも分かんない。
 だんだん周りが見えなくなってきて、もう、
裕輔先輩しか目に入らない。
 いつも、目で追ってる。
 そんな自分がおかしくてこんな自分もいるんだと思った。


 「おーい」


 恋って不思議だね。


 「おいってば!!」


 「わっ!!」


 裕輔先輩はあたしの肩を揺すった。


 「どうした?なんか考え事してるみたいで...
もしかして、蓮っていう奴のことまだ気にしてんの?」


 裕輔先輩はあたしが蓮君のことを
考えていると勘違いしてるみたいで
心配そうな顔をした。


 「違いますよ。ほかのこと考えていたんです。
....連君のことはもう気にしてません」


 連君のことは気にしてない。てか、
頭の中は裕輔先輩のことだらけで
ほかの人の事なんて考えられない。


 

 
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