金平糖のような甘い甘い恋
「なぁ、何食べたい?」


 と慌ててるあたしに
平然としながら話かけてきた。


 「え?んー...」


 あたしは平然を装って周りを見た。
 
 すると、周りには屋台がたくさん並んでいて、
かき氷や綿飴、ヨーヨー、金魚すくいなど色々あって
それを買っている人達が目に映った。


 「そうだなぁ~...あ!飴がいい!!」


 あたしは、「飴」という看板を見つけ指差した。


 「飴?んじゃ、買うか」


 と言って裕輔先輩は飴の屋台へ行き、
一回あたしの手を離して財布を出した。


 「何の飴がいい?」


  あたしの目の前には、
イチゴ、ブドウ、キュウイ、リンゴなどのたくさんの
果物に水飴がついたのがきれいに並べられていた。


 「んー...ブドウがいい!!」


 「よし。んじゃ、おじさんブドウ1つ」


 と言って屋台のおじさんにお金を渡した裕輔先輩。


 「え?!あたし自分で払いますよ!!」


 「前にも言ったが、こーゆうのは男が払うんだ。ほら」


 とおじさんから貰ったブドウ飴をあたしの前に持ってきた。

 あたしはそれを手に取った。


 「もう...んじゃ、何かおごりますよ!」


 「大丈夫だって。ほら、行くぞ」


 裕輔先輩はあたしに手を掴んで
再び人ごみに入った。

 もう...なんでおごったりするのかなぁ。
 あたしが払うって言ってるのに....。


 「おっ。お好み焼きだ。俺買ってくるわ」


 「ま、待ってください!!」


 あたしは、お好み焼きを買いに行こうとした裕輔先輩を止めた。

 
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